Oculus Quest 2 VR ヘッドセットのレビュー

Oculus Quest 2 レビュー

VRヘッドマウントディスプレイのOculus Quest 2 を買って、しばらく使ったのでレビューします。

はじめてVR ヘッドマウントディスプレイを購入しましたが、想像以上の凄い体験がたくさんできて本当に買って良かったです。

がっつりVRを体験するのが初だったので、Quest 2 というよりはVRヘッドマウントディスプレイ (以下HMD) のレビューといっていいかもしれません。

Oculus Quest 2 レビュー

Oculus Quest 2 レビュー

実際に使ってみて感じたこと

特徴

  • 前モデルから大きく値下げされ、64GBモデルが37,180円~
  • スタンドアローン型VR なので、ワイヤレスで楽しめる。
  • USB-C をPC とつなげば、PCVRとして利用できる。
  • Facebook のアカウントが必要となる。

使ってみて良かったところ

  • 体験したことの無い存在感
  • 動画でさえ映画館で見ているような没入感が得られる。Youtube の映像を見るだけでも映像作品をみているような気分に。
  • 音が意外と良い。
  • ワイヤレスなのでストレスなく動き回れることに加えて、コードをつなげばPCVR にもなるのは便利。
  • 無料で楽しめるコンテンツが無数にある。

残念だったところ

  • Facebook と連携が必要。Facebook のアカウントが必要で、アカウントを使っていない人は適用するまでに時間がかかるなどの手間がある。またアカウントBAN問題なども。(この製品は、ある意味Facebook に自分の情報を渡す代わりにデバイスの価格が抑えられている。)
  • バッテリーの持ちが悪い。
  • 眼鏡ユーザーは装着するのが少し面倒。
  • 人によっては酔う。
  • ヘッドマウントディスプレイ全体の課題だが、化粧をしている人や髪をセットした人には抵抗がある。

Oculus Quest 2 の良かったところ

・ほんとに目の前にある存在感

Oculus Quest ダンス
一緒に踊ると喜んでくれる不思議な人

VR では、目の前に人/モノが本当に存在しているような感覚があります。
これは言葉ではなかなか伝わらないことで、HMD を被らないとわからない感覚だと思いますが、本当に人の存在感を感じられるし、コミュニケーションツールとして物凄い体験ができるものなんだとありありと感じました。

Oculus のチュートリアルアプリで不思議な生命体とダンスを踊る瞬間があるのですが、ほんとに一緒に踊っているような感覚で、脳髄が刺激されているような未知な体験でした。

特に興味深かったのは、VRChat というVR のSNS プラットフォームがあるのですが、そこで異形なアバターを着て鏡の前で動いてみると自分は一体何者なのかという哲学的な問いが浮かんできたことです(笑)自分の肉体は簡単に捨て去れるものなんだと驚きました。

・動画コンテンツへの没入感が高い

大画面で動画が楽しめる

Youtube、Amazon Prime Video、Netflix などをVR上で楽しめるのですが、各社ともVR用のギミックで作られていて、映画館で見ているような感覚で動画を楽しめます!

Quest 2 は解像度が高い上に音質も割と良いので、没入して動画を楽しめます。音楽のライブ映像などでも、物凄く大きなスクリーンで映像を見れるので、プロジェクターがいらないと思えるほどです。

・ワイヤレスの強みと有線でPCVRにも

独立して動くHMDなので、ストレスなく頭を自由に動かせるのはQuest 2 の大きな強みだと思います。有線だとどうしても邪魔に感じたり、コードの届く範囲でしか動けないので、広い範囲を動き回ったり、長時間プレイするにはワイヤレスの方が断然良いように思います。

しかし、Quest 2 のワイヤレス状態では対応していないVRソフトやコンテンツも多々あるのも事実で、VRChat も入れないワールドがあったり、他の人のアバターが初期アバターとして表示されたりします。

そんな時にPC(ある程度のスペックが必要)とUSB 接続することで、PC用のVRとしてQuest Link を運用できます。Oculus 公式のケーブルは結構いい値段するので、Anker のUSB-C ケーブルを使ってます。

・無料でも楽しめるコンテンツが多い

ゲームソフトは有料のものが多いですが、無料でも楽しめるコンテンツがたくさんあります。
Quest に最初から入っている「 Quill 」は、VR ペイント空間みたいなもので、結構な量の作品があり、しかもクオリティが高いものばかりです。
宇宙空間で延々と浮いていたり、嵐の中で佇んでみたり、いろんな作品があるので個人的にはかなり楽しめました。
Vtuberキズナアイさんの「Kizuna AI – Touch the Beat!」も無料で、なかなか面白かったです。

先述したYoutube はもちろん、プライムビデオやネトフリなども契約していれば、VR アプリを介して楽しむことができます。Youtube は360度動画やVR 動画なども結構あるので、それを見ていくだけでも結構なボリュームがあります。
有線にしてPCVR にすれば、SteamVR などで体験できるコンテンツが物凄く増えます。

また有料ですが、Virtual Desktop は物凄く便利です。Vitual Desktop は、ワイヤレスで同じネットワーク上にいるPC をQuest 内で操作できるようにするソフトです。Virtual Desktop でPCVR もできるので、実質ワイヤレスでPCVR を楽しめます。

Oculus Quest 2 の残念なところ

・Facebook との連携問題

Amazon レビューでもかなり言及されてますし、Quest 2 を紹介するメディアでも言及されることが多いですが、Quest の一番のネックはFacebook との連携問題だと思います。ある程度運用されているFacebook を紐づけないとOculus Quest 2 を使用できないようになっています。

Facebook アカウントを持っていない人が新たに作成した場合やアカウントを持っていても運用していない人はOculus との連携に時間がかかったり、アカウントをBANされたりする事例があるようです。

幸い、僕はFacebook アカウントを持っていたので、特に問題なく連携できましたが、若い人などFacebook アカウント持ってないという人も多いと思うので、Quest 2 を普及させるつもりなら、この辺りは改善してほしいと切実に思います。

・バッテリー持ちが悪い

前モデルのQuest を使っていたわけでは無いので比較できないですが、思ったより早くバッテリーが無くなるように感じました。1時間ぐらいゲームをして、ちょっとブラウジングなどしていたら2~3割くらいに減っているので、結構な頻度で充電しなければいけません。使おうと思ったときにも結構電池が減っていることが多いです。対処策としてOculus 公式からバッテリー付きのストラップが販売されています。
一方、ハンドコントローラーは全然電池が減らないので怖いぐらいです。

・眼鏡での装着に難あり

Oculus Quest 2 眼鏡
眼鏡の端が当たるため、装着に手間がかかる

ヘッドセットのサイズが狭いため、眼鏡が正面から入らず少し角度をつけて入れる必要があります。また眼鏡があるせいで没入感が少し減ってしまうのに加えて、眼鏡の鼻当て部分が顔に食い込んで不快に感じます。
短時間だと気にならないのですが、10分以上やってたら結構気になります。コンタクトがある人は、コンタクトを使用すれば幸せになれると思います。

眼鏡ユーザーの対応策として、VRsatile というヘッドセット装着用の眼鏡があります。他にもOculus のVIRTUCLEAR LENS やドイツの会社VRoptician もVR用のレンズを作られています。いずれかで作ろうと思っているので、また作成したら追記します。
他にもJinsの眼鏡、ショートテンプルが快適に使えるようです。

そもそもなぜOculus Quest 2 を買ったのか。

元々、VR/AR 分野に興味があったので欲しいなとは思っていたのですが、NEW VIEW SCHOOLVRAA で作られた作品群が物凄く魅力的で、「この中に入りたい!!」と思ったことが大きなきっかけでした。ちょうどそんな時にOculus Quest 2 が発表されたので即座に予約しました。

実際に数々の作品を体験しましたが、ほんとに「おおお、なんじゃこりゃぁ!!」と思わず言ってしまう驚きの連続でVR 空間の凄さを思い知りました。
下記のSTYLY は、最も感動した wyattroy さんの作品。

他にも、建築設計や建物のビジュアルをVR で体験してみたかったことも理由の一つです。建築を設計する場合には、どういうピッチで部材を取り付けるのか/天井高をどの程度にするか等々、トライアンドエラーを繰り返すのですが、VR だと空間の解像度が物凄く上がるのでスタディもはかどります。模型を作るより断然空間を感じられる。もちろん、模型には模型の良さがありますが。
ゲームコンテンツだけじゃなくて、最近は産業部分にVR がかなり浸透し始めていると感じます。

Oculus Quest 2 レビューまとめ

いろいろ書いてきましたが、個人的には買って大満足でした。
こんなに脳を揺さぶられるようなやばい体験がたくさん出来るなら、もっと早くVR を始めていればよかったと思いました。

個人的に感じるVR の最も凄いと感じたところは、コミュニケーションツールとしての凄さです。VRChatSpatialClustervTime 等々、VR コミュニケーションのための様々なツールが発展してますが、身振りや相手の身体性を感じられれば、こんなにもコミュニケーションの解像度が高まるんだと驚きました。
資料も同時に見れるし、仕事の会議とかにはめちゃくちゃ有効だと思います。

Oculus Quest 2 は、Facebook のアカウント問題もありますが、初めてVR ヘッドセットを買うには、値段が手ごろになったし、本当に良い製品だと思います。
気になっている人は、ぜひやってみてください!