iPad Pro 12.9インチ 2020 レビュー

iPad Pro review

iPad Pro 2020 12.9インチを購入してしばらく使ったので、実際に使ってみて感じたレビューを書きます。iPad Pro はタブレット端末として、一つの到達点に達しているように感じました。

iPad Pro 12.9インチ 2020 レビュー

iPad Pro review

iPad Pro を買った理由について

元々コンテンツ閲覧用タブレットとしてiPad Air (旧世代)を使っていたんですが、iOS(iPad OS)の更新が12で止まり、アップデートされないのでそろそろ買い替えてもいいかなと思っていました。

加えてApple Pencil を使って絵を描いたりメモを取りたいというのが大きな買い替えの理由です。

僕は絵を描いてきたわけではないですが、業務上、人にささっと説明するときや建築上の納まりを伝えるときに絵を描けたほうがいい。これは上手く描ければよいというよりは意図が素早く正確に伝わればよいというような絵です。

描くことに慣れるために、スケッチを取る癖をつけたいと思っていました。軽いスケッチブックとペンを持ち歩いてもいいのですが、iPad の方がアーカイブを残しやすいし、何よりモチベが上がるだろうという浅はかな考えからiPad Pro を購入しました。

もちろん、Surface などペンを使えるタブレットはありますが、ペンの追従性や描きやすさを試した結果iPad Pro の圧勝だったので、他の選択肢は考えませんでした。

もう一つの、大きな理由として、Apple Pencil を活用し資格勉強や本を読むときに理解の効率を上げたいことでした。最近は、本を電子書籍を買うことが多く、読みながらメモを取ったり、思考を整理したいと思うことがよくありました。また一級建築士試験のために、ノートアプリを活用したいという思いもありました。

実際にiPad OS 向けのノートアプリ使ってみるとめちゃくちゃ凄かったです。

iPad Pro の良かった点

・音がめっちゃ良い。

iPad Pro を使い始めて驚いたのは、スピーカーの音が良いことです。ほんとにこれが一番感動した。

スピーカーが両側短辺に2つずつついていて合計4つのスピーカーからなっている。もちろんコンポやしっかりしたスピーカーに比べれば高音・低音が劣るが、垂れ流して聞くにはちょうどいいぐらいの音。タブレットって、テキストや動画を見るにはいいけど、陳腐な音が難点と思っていましたが、iPad Pro は低音~高音までバランス良くむっちゃ音がよくて驚いた。個人的な感覚として、Macbook Pro 13 と同レベルの音量・音質です。

・iPad OS はマルチタスクが使いやすい

タブレットの特性として画面が大きいので、2画面でのマルチタスクがやりやすい。2画面操作しかできないですが、横幅サイズは自由に変えられるので、違う情報を参照しながらメモしたり、スクラップブックのように画像を切り貼りするのもやりやすいです。

現時点では、本を読みながらメモをとることや、動画を見ながら思考を整理する、資料を見ながら絵を描くみたいなことには最良のデバイスだと思います。

・ノートをとったり、勉強補助ツールとして素晴らしい。

正直、学生はみんなiPad 買った方がいいんじゃないかと思いました。

有料のアプリも含めれば、便利に使えるノートアプリがたくさんあります。特にGood Notes  は、UI/UX が素晴らしく直感的に操作できて、ノートをまとめる上での作業や操作感は優れています。

特に驚いたのは、手書きで書いた文章でさえ検索することができます。画像やPDFなどのファイルを切り貼りできてスクラップブックのように自由にノートを作成できます。

iPad Pro の良くなかった点

・付属品を含めたら結構高い。

iPad Pro だけでも10万前後するので、ちょっとしたPC が買えるぐらい高いですが、iPad Pro は付属品が無いとできないことが多いです。

特にApple Pencil は必須で、第2世代Apple Pencil が約1万5,000円。

ケースと保護シールで2000~3000円(純正だと1万超)、キーボードフォリオ・マジックキーボードにするなら2~4万程度かかります。

iPad Pro を使い倒すなら有料アプリがあったほうがいいので、Good Notes やProcreate などのアプリを入れればすぐに2,000~3,000円はかかります。

これらを合わせると、ざっと15万くらいはかかってしまいそうです。デスクトップなら、まあまあなスペックを手に入れられる金額。恐ろしい…

僕も想定はしていましたが、本体以外の付属品で結構なお金がかかってしまいました。

・バッテリー持ちがそれほど良くない。

僕が購入したのは、iPad Pro 12.9インチ wifiモデルですが、思ったよりもバッテリーの持ちが悪いです。以前まで使っていたiPad Air (旧世代)に比べても減りが早いように感じます。もちろん、所有していたiPad Air ではApple Pencil は使用していなかったので、Bluetooth の常時接続端末が無いことが関係していると思います。

体感としては、Good Notes を使用して6時間程度ノート作業をすればと切れてしまいます。一日の間、酷使するなら電源かモバイルバッテリーがあったほうがよさそうです。

Photoshop やLightRoom などのAdobe も使えますが、それらはすべてPCで作業しています。正直、PCとして使おうとせずに補助ツールだと思って使えば、現時点では最高のデバイスだと思います。

iPad Pro のその他情報

iPad Pro 11インチと12.9インチのどちらにするか問題

iPad Pro を買おうと思った人が必ず直面する問題ではないかと思います。

持ち運びやすい11インチにするか、大きな画面の12.9インチか、僕も購入するときに一番悩みました。結論から言うと、迷うなら11インチがおすすめです。理由としては、11インチは絶妙な持ちやすさと大きさなんです。電子書籍も見やすいし、片手で持って動画やSNS も見やすい。11インチiPad Pro を店頭で触った印象は、なんというか持ち出したくなる大きさなんです。12.9インチは大きくてマルチタスクもしやすいが、ずっと持つには大きくて重い。片手で持つと手が痛くなってくる大きさと重さです。

店頭で実際に触ってみて、11インチを購入しようと決めていました。

が、しかし、結局は12.9インチを購入しました。

サイズをどうするかの葛藤の上で、そもそもどうしてiPad Pro を買おうと思ったのかと初心に立ちかえりました。根本の思いとしては、何かを作りたいとか、仕事をする上で補助的に使いたいから買おうと思っていたのです。何かを作ったり仕事をする上では、画面が大きいほうが重要なのではないかと思い至りました。

また個人的に、「コンテンツを見る」デバイスと「作業をする」デバイスを分けたほうがいいなと思っています。僕は、コンテンツやSNS を見るためにスマホを使っています。なので、スマホで勉強や文章を書こうとしてもすぐ遊んじゃったり連絡を返したりしてしまうので、「スマホは遊ぶもの」、「iPad Pro は作業するもの」として分けたほうがいいなと思い、あえて重くて大きい12.9インチにしました。11インチだとどこにでも持っていきやすく、すぐコンテンツを見ちゃいそうなので。だからiPad Pro を使うときには心理的に「作業するんだ」というマインドをもって接すようにしてます。なんてことない理由ですが、僕にはこのやり方があっている気がします。

iPad Pro 12.9 旧世代とのサイズ比較
iPad Pro 12.9 旧世代とのサイズ比較

余談ですが、旧世代(2015)のiPad Pro 12.9インチを持っているのでサイズを比べてみました。Apple 公式によれば、縦2.5cm、横0.5cmほど2020年モデルの方が小さいです。

持った時の持ちやすさや扱いやすさは明らか新型の方が優れています。画質はパッと見た限り、そこまで違いはわかりませんでした。音に関しては、第4世代(2020)の方が断然良かったです。

iPad Pro 向けのペーパーライクフィルムについて

iPad Pro JPフィルター専門製造所 ペーパーライクフィルム

Apple Pencil を使うなら、絶対使いたいと思っていたペーパーライクフィルム。タブレットの描き心地って、悪くは無いんですが、ペン先がつるつる滑るのでちょっと描きにくいのが正直なところ。

ペーパーライクフィルムは、表面がざらざらしていて紙に描いているような軽いひっかかりができて、書きやすくなるフィルムです。ちなみに書く音も紙に書いているような音がでるので、ほんとに紙に書いているような感覚になります。

保護フィルムは店頭でサンプルを見ることが難しい上に、ペーパーライクフィルムの描き心地を確かめることは難しいです。さらにAmazon で検索をかけても、さくらレビューやさくらアンチレビューのオンパレードで結局どれがいいのかわからないあるあるが発生。

海外で評価の高いものを買おうかと画策しましたが、面倒になり結局、JPフィルター専門製造所のペーパーライクフィルムを購入しました。

使ってみた雑感としては、描き心地はなかなか良いです。軽い引っ掛かりができて、明らかに書きやすくなりました。書いているときの音がほんとに紙のようなので、そこはほんとにすごいです。

想定していなかった残念な点としては、画面が少しざらついたように見えます。これはペーパーライクフィルムの特性のようで、使っているうちに慣れましたが、iPad Pro の綺麗な画面に少しもやがかかってしまうのは残念です。加えて、使っているうちにペン先が結構削れてきます。ゴリゴリ絵や文章をApple Pencil で描く人はペン先の交換が必須なのでご注意ください。

ペーパーライクフィルムですが、描き心地の向上は見込めるものの、画質の低下やペン先の減りが早くなるので、誰にでもおすすめできるものではないと僕は感じました。そのうち剥がしてノーマルのフィルムを貼るかもしれません。

わかりにくいですが、ペーパーライクフィルムを貼ったiPad Pro とフィルム無しの旧世代(2015)の参考写真を貼っておきます。 肉眼だとすぐにわかりますが、 ペーパーライクフィルムは画面の精細さが劣化します。画像だとやはり伝わりにくい。

iPad Pro ペーパーライクフィルム
左:iPad Pro 2020 ペーパーライクフィルム 右:iPad Pro 2015 フィルム無し
iPad Pro ペーパーライクフィルム
わかりにくいですが、ペーパーライクフィルムを貼った左は薄いもやがかかったようになる。

iPad のカバー、純正じゃなくても十分

iPad Pro ztotop ケース

iPad Pro のスマートフォリオ(純正カバー)が1万するので、そこまで費用をかけたくないと思い、カバーは約2,500円のZtotop というサードパーティのカバーを購入しました。

iPad Pro ztotop ケース
iPad Pro ztotop ケース

Apple 純正のスマートフォリオと同様に磁石でひっつくタイプで、取り外しが簡単かつ、立てかけるのも便利で、値段の割には質もよかったです。端部が少し弱くて長期間は持たないかもしれないですが、それ以外は触った素材感や作りも良く買って良かったです。

iPad Pro ztotop ケース レビュー
iPad Pro ztotop ケース レビュー

スマートフォリオと同様に、2つの角度に固定できて機能的には必要十分。

まとめ

iPad Pro を購入し、まだまだ使いこなせてはいないものの、ノートアプリの便利さやPDF などのデータに直接手書きができることは仕事する上ですごく役に立っています。

ペンの追従性や感度なども素晴らしく、ほとんどストレスなく描けるので描く(書く)ためのタブレットとしてひとつの到達点に達していると思いました。

正直、PC の代わりにはならないですが、割り切って補助ツールだと使うとすごくに役に立ってくれるものだと思います。特にMac ユーザーにとってSidecar によって拡張ディスプレイとして使えるのは、ほんとに素晴らしいです。

OS のアップデートでまだまだ進化していくと思うので、今後のアップデートが楽しみです。