西日本建築の旅 #0

西日本の建築を巡る旅

西日本で見てみたかった建築を見てきました!

この旅は仕事を辞める前からなんとなく行こうと思っていたもので、見に行く建築の場所もここは行きたいと決めていた所もありますが、他にも行ってみて知ったものや教えてもらって行った場所も多々あります。

関西を離れるので、比較的近い所に住んでいるうちに西日本の気になる建築を回って見ようという気持ちから回って来ました。本当は自転車で回りたかったんですが、諸事情が重なり、車で車中泊しながら回って来ました。

建築を学ぶ上で、出来るだけ実物を見た方が良いという教えもあり、時間があるうちに見て回っています。

実際に建築を見ることでスケール感・周囲との溶け込み・素材のディテール・人と物の建築との関係など学ぶべきことが多く、図面や写真だけでは感じられないことが多分にあります。

今回の旅で行って来た建築をまとめておきます。

香川県
豊島美術館
豊島横尾館
豊島八百万ラボ

広島県
ONOMICHI U2
リボンチャペル
広島市消防局 西消防署

山口県
周南市立徳山駅前図書館
道の駅 ソレーネ周南

福岡県
ぐりんぐりん アイランドシティ中央公園

佐賀県
武雄市図書館

長崎県
長崎県庁舎
長崎県美術館

熊本県
熊本県立美術館 分館
熊本県警察署

大分県
大分県立美術館 OPAM
アートプラザ
由布市ツーリストインフォメーションセンター
COMICO ART MUSEUM

全部で8県、20以上の建築に赴き、建築を撮りまくって観察しまくったので、その簡単な記録を残します。

建築を見る上で意識したこと

建築を観察するときにはいろいろ方法があると思います。

写真を撮る、スケッチをする、細かく観察する、ただ佇むなどいろいろあります。
ただ観察や見ているだけでも、膨大な時間がかかってしまうし、どうやって建築を見るべきなのかっていうのが、僕の中で一つの問いでした。

そんな時に、大学でレクチャーしていただいた先生の自己流の建築の見方を教えてもらったので、その方法で観察してみました。
この旅ではこの観察方法を使いながら建築を記録して行きました。

まず感動できるかどうか

永平寺 人の感動

先生に教えていただいた観察方法は、まず感動が得られるかどうかを感じてみることです。

まず何も考えずに建物を見て、空間に入り、その空間を体験する。その中で感覚を澄ませながら入って行くわけですが、そこで感動できるかどうか。自分がまず感動できるかどうかを体感する。なので、観察して描写する前に、感覚的に良いと思えるかどうかを感じてみる。

その次に感動があった建物・空間について言語化する。もちろん想像を絶するほどの感動体験があれば、小さな感動などの差はあると思います。しかしどんな細かい部分も感動した部分であれば、出来るだけ拾い上げていく。自分がなぜ良いと思うのかを正確に言語化・記号化することで、それを再現できるようになります。なので学校での課題や実際の設計の時に使える武器になっていくわけです。

もちろんそのまま使えることは少ないので、応用や使い方を考える必要はあります。よく言われますが、設計はすでに知っている情報を組み合わせて形・空間を作っていくことです。そのストックが多いに越したことはないです。

また感動がない時は無理に分析をしなくていいと断言されてました。なぜよくないのか、どうすれば良くなるのかを考えるのも重要なので、時間があれば取り組む。

  1. 建築から感動が得られるか、余計なことは考えずにただ見て感じる。なので写真やスケッチは体験した後にする。
  2. 感動があれば、その大小に関わらず徹底的に分析する。(スケール、部材、光、風、音なんでも)。
  3. 感動が無ければ、分析の必要無し。

この見方で見てみることによって空間体験が明らかに残りやすくなった。僕はすぐに写真を撮ってしまうので、記憶したつもりになっていても、結構自分の記憶からは抜け落ちてることが多かったです。

この方法は、最初の原イメージが強烈に残るので、自分の頭にフラットなまま残っている感覚があります。一つの方法として試して見てください。