木造住宅の床を支える部材、鋼製束を使って、ベッドフレームを作りました。
作り方や材料について紹介します!
DIYでベッドフレームを作ろう!
部屋のサイズに制限があり、ベッド下に大きな収納スペース欲しい!
ベッドフレームをDIYで作ろうと思ったのには理由があります。
元々はIKEAや無印良品などの量販店にあるベッドフレームを買おうかと物色していたが、ベッドフレームの寸法を確認すると問題が発生。
ベッドを置こうと思っている部屋に寸法上の制限があり、既製ベッドフレームのほとんどが入らない!
ベッドを置こうと画策していた場所が205cmちょうどぐらいで、既製品のベッドフレームが205cm〜というものばかり。
もう一つの理由は、賃貸マンションに住んでいるため、部屋の収納が少なく、収納場所としてベッド下のスペースを有効活用したいという気持ちがありました。
だったら寸法通りおさまり、収納もたくさんできる家具を作ればいいじゃあないか。ということで作りました!
汎用性の高い鋼製束を家具に使ってみる!
家具製作に当たって、どういう部材で作るかを考え始め、近所のホームセンターに行くと木材の種類が圧倒的に少ないことに気付く。
荷重を支えられるような手頃な木材が、なかなか見つからない。
さらに木材を柱として使うと、高さの調整が後から出来ない上、次に引越しする時に持って行くのは面倒だなという思いがあり、代替策を考えていました。
そこで以前から使ってみたかった鋼製束を使って家具を作ってみることに。
鋼製束とは、木造住宅の床を支えている大引を地面と接地して支える金属製の棒のようなものです。
建材や人はもちろん、家具など大きな荷重がかかってもビクともせず、地味に床を支え続ける凄いやつなのです。
メーカーによれば、鋼製束一本あたり2t以上の圧縮荷重に耐えるそうです。
鋼製束の凄いところは伸縮できて、高さ調節が自由なところです!
家具を作るに当たって鋼製束が向いていると思うので、そのメリットを書いておきます。
- 住宅の床を支えるほどの材料なので強度と耐久性がめちゃくちゃ高い。
- 工業製品のため精度が高く、安い。(一個500円以下)
- 加工の手間が要らず、ビスで止めるだけ。
- 簡単に伸縮できるので、高さを後からでも調整できる。
- 微調整がしやすく、水平が合わせやすい。
- 木材と使うと異素材感がカッコいい(主観)
鋼製束はDIYする上で、安価で精度が高く頑丈ときているので、板を支えたり柱の役割をさせるにはもってこいの部材です。
よくDIYのデッキプレートの床を支える部材として使われていますが、家具でも使えます。
次に家具を作るときにも鋼製束を使うと思います!
ベッドフレーム製作の材料は2×4、1×4そして鋼製束のみ!
作ったベッドフレームのサイズはセミダブルなので、120×200のサイズ。
引っ越しする場合に備え、材料は解体が出来るように少なくし、修繕もしやすいようにどこでも手に入るものを選んだ。
また再度組み立てることも考えて出来るだけ簡単に作れるように工夫しました。
使用した材料一覧
- 鋼製束×9個 (240mm~380mm) ¥4,461
- 2×4 SPF材 2000mm×3本 ¥2,094
- 1×4 SPF材 1200mm×14本 ¥3,759
- ビス×2セット ¥833
- 床傷防止用のゴムシート ¥498
2×4木材と1×4木材はホームセンターで指定のサイズに木材カットしてもらいました。思ったより精度が高く、満足です。
基本的には2×4木材を梁として、1×4木材を上部に均等に配置し、すのこベッドのようにします。
鋼製束は伸縮できるサイズが決まっています。僕はベッド下収納スペースの高さを30cm以上空けたかったために240~380mmの鋼製束を購入しました。240~380mmの間で鋼製束の高さを調整できます。
鋼製束のサイズはたくさんあるので、用途に応じてサイズを選べます。
鋼製束はホームセンターに置いていることが多いですが、ネットでも購入できます。ネットで木材を買えなくも無いですが、気軽に買えそうなところを見つけられなかった。それが鋼製束を選ぼうと思った理由の一つでもあります。
材料にかかった合計費用は¥11,645でした。まあまあ安く済みました。
いよいよ製作、簡単なベッドフレームの作り方!
家具製作と言いながらあまり大仰なことはしてないのですが、木材のバリを簡単にヤスリで無くします。
次に2×4木材に鋼製束の位置と1×4木材を乗せる位置を均等にケガいていきます。
この時スコヤか曲尺があれば、効率よくケガいていけるので便利です。
2×4用の便利な定規があるのを後から知り、買っとけばよかったと後悔。
鋼製束にもちょっとした加工を施しました。
鋼製束上部には防振用のゴムが元々ついているのですが、家具として使うため、下部にも傷防止・防振・滑り止め用のゴムを付けました。
これでマンションの床を傷つけまい。
主な梁材となる2×4の木材に、高さを調節した鋼製束を取り付けていきます。
ビスを使って2×4木材に鋼製束を付けて行きました。思った以上にしっかりしている!
ビスをとめるインパクトドライバーはホームセンターのレンタル工具を使用しました。
レンタル工具はほとんどのホームセンターでやっていて、1泊2日数百円で借りれます。
さすが俺たちの鋼製束!と思っていたら問題発生。
鋼製束の下を固定せずに設置しようとしていたが、横方向へのグラつきが激しく、不安定。
従来の使われ方を見れば当たり前なんですが、下部もしっかり固定しないと意味が無い。当たり前のことにやってみて気づく。
DIYはトライアンドエラーが大事!
急遽計画を変更し、1200mmの1×4木材を下に敷いて固定することに。
これが功を奏して、頑強でめちゃくちゃ安定感ある状態になりました。
上に乗ってもビクともしないほどです。鋼製束の下は固定しましょう!
鋼製束の受け部分がL字型の場合は交互(千鳥)に取り付ける必要があります。上記画像の矢印参照
鋼製束は、高さ調整が簡単にできることが、個人的に一番良いところだと思っています。
真ん中の軸を手で回して高さを調節できます。高さ変更が容易で、後で高さを変えたくなってもボルトを緩めて回せば高さ調節できます。
僕は建築を学んでいるので、水平にはこだわりたいと思い水平器で細かく確認して鋼製束を微調整していきました。
一台あればずっと使える上に安いので便利です。水平・垂直・45度を確認できます。
微調整して、しっかり水平がとれていることを確認できたら1200mmの1×4木材×11本を均等に乗せてビスで固定していきます。
すのこの様に均等に配置して通風を良くし、マットレスのカビも防止する。
1×4木材が思ったより丈夫で、すのこベッドとして機能しています。
固定完了!!
解体しやすいようにビスは一箇所ずつしか止めていません。それでもかなり頑強にできた。上に乗ってもビクともしない!
組み立てだけの所要時間は3時間ほどでできました。
効率悪く進めてこのスピードなので、要領がいい人なら1時間でも出来ると思います!
収納スペースたっぷりなベッドフレーム ついに完成!
寸法通りにおさまり、ベッド下のスペースも30cm以上確保できるベッドフレームができました!
お店で売っている既製品に比べれば仕上げ等が甘いですが、求めていた機能が全て詰まったどこにも売っていないものができました!
DIYの醍醐味ですね!
既製品だとどうしてもベッド下スペースが小さかったりするのが不満だったのですが、納得いくものができました。
華奢に見えますが、上から強く押しても、横に揺らしてもビクともせず、かなり頑丈です!大人2人が乗っても変なきしみもたわみもなく頑強、さすが鋼製束!!
マットレスもぴったりおさまる。寝心地を確認してみても安定感バッチリ!
ベッド下のスペースを大容量の収納スペースに出来たのはほんとに便利でした!掛け布団や季節外れの衣類など結構、使わないけど保管しておきたいものって結構あるんですよね。一挙にベッド下に収納出来ました!!他の部屋が広くなって大満足!
正直なところ2×4の木材を使って、柱も製作すれば鋼製束で作るより多少安上がりなんですが、30cmの高さを2×4木材で支えるのは不安でした。
鋼製束を使えば、剛性がめちゃくちゃ強い上に高い精度で家具を製作できます。しかも軸を回せば、簡単に高さ調節もできるので、鋼製束を家具製作に使うのはおすすめです!
建築家の長坂常さんのように、普段目にする何気ないプロダクトや物を違う用途や形態に鮮やかに落とし込んでいくような手法をやってみたいと思い、鋼製束を使ってみました。思ったより上手い具合に馴染んでくれた。
鋼製束を使った家具は他にも作ってます!